2025/11/14 04:37

(回答者:紅輪 Director 若竹純司)


1.「紅輪」という言葉を思いついた瞬間、何を見ていた?


日の丸、降臨、光輪(nimbus)


尾形光琳、ミケランジェロ・ブオナローティ(=良き輪)


2.あなたにとって「紅」は、始まりの色?それとも余韻の色?


完成の色。


3.「輪」という形に宿る、終わりと始まりの関係をどう捉えている?


始終とは?むしろ「永遠」を見る。


4.紅輪を語るとき、まず話したくなるのは「素材」「音」「光」のどれ?


光。色を司るから。


5.制作の最中に、最も静かになる瞬間はどんなとき?


手に渡る方々の顔を思い浮かべるとき。


6.「 Answer the Contrast 」というブランドコンセプトの“コントラスト”は、今どこにある?


「工芸」と「プロダクト」の狭間。


7.時間を“積み重ねる”のではなく“透かして見る”感覚は、どこから来ている?


詩や俳句などの文芸活動が思考や嗜好の拠り所をつくってきたかもしれません。


8.自然の中で見つける「完璧な不均衡」とは?


この世を循環する「水」。


9.「和」と「洋」を超えるものを、どう設計していますか?


対立するとは考えていません。「中庸の美」を考えています。芯、バランス、循環、の三要素を大切にしています。


10.「永遠」と「いま」を同じテーブルに並べるとき、どんな調和を望みますか?


言葉を必要としない世界で語られて欲しい。


11.削ること、残すこと。その判断基準はどこにありますか?


最終的には、培ってきた身一つの直感。


12.一つの形をつくるとき、何を「聴き」、何を「黙る」ようにしている?


形が欲する「色」を聴き取ろうとします。世の流行に対し、黙ってプロダクトでいち回答を差し出しています。


13.「静寂」を視覚化するとしたら、それはどんな構造になる?


音波のウェーブがたたない状態と見れば、ロゴに示したような「水平線」になるのかもしれません。


14.紅輪にとって、“手”とは道具?それとも思考の延長?


「手段・段取り」としての道具であり、紅輪にとって大切な偶発性のある美を生み出す「思考・哲学」の延長。


15.人の気配を感じさせる“無人のデザイン”とは可能だと思う?


人の気配を感じたいか、感じたく無いかは人の自由。感じないように思えても、それは幻想であり、モノが手渡されるまでに何らかの形で人の手は加わっているはず。


16.美しさと冷たさが重なる瞬間、何が生まれる?


触感への憧れ。


17.“香り”を言葉にしない理由があるとしたら、それはなぜ?


生命本来が持つセンサーとして言葉以上の「かたり」を持つから。


18.時代と距離をどう扱っている?


取り入れる/消費するだけでなく、自らつくることを続けることで、自分だけのコンパスを手放さないようにしたく思います。陶磁器にせよ、音楽にせよ、文芸にせよ。


19.「紅輪の未来」は、直線で進む?輪のように巡る?


静かに待っていてくれればよいです。


20.最後に――紅輪とは「祈り」?「設計」?


「祈り」にしては不遜で「設計」にしては覚束ない。


「約束」です。