2023/04/09 21:39

こんな感覚を器で表現できたら。

今回の"It"はノルウェーのジャズ・ピアニスト、ブッゲ・ヴェッセルトフトによる〈Poem〉です。


1997年の『New Conception of Jazz』収録の一曲。

この作品は「ジャズの新しいコンセプト」を元に彼が創立したレーベルJazzlandの第一弾でした。

ほどなく彼の発表する音楽はフューチャージャズという呼称に取り込まれていくことになります。

この〈Poem〉、冒頭から数分はシンプルなベース主体で進行し、時折ピアノで飾られる程度。

それをつんざくようにブラスセクションとそれと同時に桜吹雪のようなエレクトロニクスが一気に噴出します。

繊細さに胸が締めつけられ、大胆さに心が躍ります。

時のうつろい、器で言えば「見る者の視覚の流れ」

に従って感情の変化を想起する。

そんな器をつくることを模索します。

感情の変化。

簡単な言葉で言ってしまえば「感動」になるのでしょうか。

「感動」とは何か。それがもたらしうるものは何か。紅輪はどうコミットするか。

紅輪のビジョンを深化させなければなりません。

ヴェッセルトフトの〈Moving〉を聴きながら考えます。